コーヒーの脱カフェイン処理方法
『今度の山に持って行く珈琲』、『decaf〜デカフェ〜』をはじめ、現在、世界中で飲まれているカフェインレスコーヒーは、「脱カフェイン処理」されたコーヒー生豆を焙煎して作られています。
数ある脱カフェイン処理方法の中で、日本では最も一般的と思われる”水抽出法”について伝えさせていただきます。
あいにくビジュアルの用意がないもんで、テキストのみでやっていきます。
どうか投げ出さずにお付き合いください…。
コーヒーノートで取り扱っている水抽出法=マウンテンウォータープロセスについて話を進めていきます
マウンテンウォータープロセスはメキシコにあるデスカメックス(Descamex)社の脱カフェイン処理技術です
化学成分を使うことなく水(*)を使ってカフェインを抽出します
(*)抽出水にはメキシコ最高峰オリサバ山を源泉とする天然水を使用
◼️
【飽和水溶液の準備】
コーヒー生豆の水溶性成分を限界までタップンタップンに溶かし込んだ(=飽和)水溶液を作ります
(*)この飽和水溶液に生豆を浸けても、生豆に含まれている水溶性成分は1ミリ(正しくは1グラム)も溶け出せません…
◼️
【飽和水溶液からカフェインだけをフィルターで取り除く】
・・・descamex社特許
「カフェイン抜き」の飽和水溶液ができます。
(*)カフェインだけがこの飽和水溶液に溶けるようになります
これで準備が完了しました
◼️◼️◼️◼️
【対象となる豆の分析・カフェイン値を測定】
↓
【脱カフェインしたい生豆をスチームしてふやかす】
組織を拡張・軟化させて成分を溶かしやすくする
↓
【飽和水溶液に浸けて加圧・加温する】
(*)コーヒー生豆から飽和水溶液にカフェインだけが溶け出す
(*)加圧と加熱等で条件を整え、風味を損なうことなくカフェインだけを
取り除く
◼️
【乾燥機で乾燥する】
味わいを損なわないよう、長時間かけて3種類の乾燥システムを通す
↓
【豆の表面をブラシで研磨、異物除去する】
↓
【カフェイン値、水分値の品質検査後、日本に向けて出荷】
◼️
以上が、マウンテンウォタープロセスによる脱カフェイン処理の流れです
水抽出法にはこの他に、
・スイスウォータープロセス(カナダ・スイスウォーター社)
・ジャーマンウォータープロセス(ドイツ・カフェインカンパニー・製造量は世界一)
などが知られています
◼️
写真は、長時間水に浸けてふやかしたカフェインレスコーヒー生豆(下)と戻す前の生豆(上)です
大きくふやけましたね…
‘23.3.25